経営力向上ハンズオン支援~企業インタビュー(ヒラタ工業株式会社様)

ヒラタ工業株式会社 代表取締役 三好洋平様
当社の理念「お客様に満足していただける鋳物づくり」を基に事業に取り組むヒラタ工業社。
しかし、原材料、エネルギー価格の高騰によるコスト増により鋳造業界の経営には厳しい環境が続いています。
きびしい環境下でも、三好社長の思いは「高収益化を目指し、従業員に還元したい」というものでした。
本記事では、経営診断と伴走支援の1年間の取組について、三好社長の言葉とともに振り返ります。
ヒラタ工業株式会社様への支援内容はこちらをご覧ください。
1.「“外の目”による新しい発見への期待 管理職の“視野が広がる”きっかけをつくりたい」ー支援を受けるにあたって抱いていた思い
本事業を受け入れたのは「外の目で会社を見て、問題点を整理してもらうこと」と三好社長は語られます。会社として問題はたくさん抱えている、という認識はもっていたが財団という外部の視点で自社を診てもらえること、加えて2人の部長にも参画してもらうことで、より広い視点で会社を見るきっかけになれば、という思いがありました。
まずは、ヒアリング・現場調査を基に当社の経営診断を実施し、「高収益化」をヒラタ工業の目指す姿とし課題の抽出と課題解決に向けた提案を行いました。
2. 「予想通りの部分と、想定外の結果があった」—経営診断の取組
経営診断では「外部環境(鋳物業界の動向調査)」「財務」「製造」「営業」「組織」といった視点から、ヒアリングや現場調査、受注資料からの分析を実施し、三好社長・両部長に対し診断報告会を行い、診断結果の報告と「高収益化」に向け取り組むべき課題、課題解決の方向性を提案しました。
※経営診断内容の概要は支援事例に掲載していますので、こちらご覧ください。
「一番よかったのは“自社たちでは手が届かなかった部分の分析をしてもらえたこと”です。」
「例えば、造形ラインの月報と取引先ごとの売上高を基にライン別の生産分析を実施してもらったが、自社で持つ指標と違う結果が出た取引先もあったので、改めて考えるきっかけになった。
分析をしてもらう中で、“結果を数字化・見える化してもらえる”というのは後で振り返るという意味でも良いところ。」
3. 鋳型管理システムによる生産現場のデジタル化の動き、同業他社の現場で得た“リアル”な学び
製造現場の診断から見えてきた2つの課題「型の管理」と「造形ラインの生産状況の共有」。この2つの課題解決の方向性として“生産現場のデジタル化”を提案。
本事業と並行して進んでいた鋳型管理システムの導入に加え、先進企業の視察、デジタル導入後の製造ラインの理想像の提案、の2つの取組を行いました。
先進企業として視察したのは長野県の(株)高和製作所。営業情報、生産情報、稼働情報、品質情報などを可視化するシステムを独自で開発し、生産ロスの削減や納期の短縮、 製品の高品質化に取り組んでいる企業です。
「一番印象に残っているのは、中小企業なりの知恵をフル活用しているところですね。自社と同じくらいの規模の会社でしたが、共感する部分も多かったし、システムを活用した情報の見える化だけでなく工場のレイアウトや現場の動かし方、どう工夫するかという点で、学ぶところがとても多かったです。」
「工場見学は大手の会社が多く同業者・同規模の会社を見る、という機会はあまりない。訪問の機会を得るのに苦労する部分もあるので貴重な機会でした。」
本事業と並行して進めていた鋳型管理システムの導入。当社では約10,000の製品鋳型を保管しているものの、所在地管理、型探索の時間削減、が長年の課題であり、2026年1月に型の所在地管理システムを導入されました。まだ試験運用段階であるものの、着実に生産現場のデジタル化が進んでいます。
4. 財団の伴走支援についてー“現場に一歩踏み込む診断”
三好社長は1年間の取り組みを次のように振り返ります。
「自分たちの弱いところを、両部長とも話しながら認識できたことは、一つの収穫。」
「一方、1年間取り組んでみて、目に見える成果が出たかと言われると、まだそこまでは至っていません。分析して提示してもらった生産や原価、営業、組織の話は、どれも腰を据えて取り組む必要があり、短期間で結果が出るものではないと改めて感じました。」
「経営診断における様々な分析は企業に取って役に立つので良いと思う。これまでも分析します、という提案を他社から受けることもあるが財務等の資料の分析をしてくれるだけに終わることが多い。財団の場合、製造業の現場を見ている機会も多いため、現場調査も含め一歩踏み込んだ分析をしてもらえるので、分析結果への信頼感はある。
将来に向けて新しいことをやりたい、意思決定を比較的早くできる企業に向けては向いている事業だと思う。規模が大きくなってしまうと、課題だと認識できていても、動き出すのに腰が重い。」
■ 結び
ヒラタ工業社の取り組みでは、数字に表れるような成果はまだ出ていません。しかし、三好社長からは診断による課題の認識共有など成果はあった、とのお声をいただきました。
加えて、現場調査や分析については、製造業への支援経験から納得感のある診断であったと評価いただきました。
厳しい外部環境が続く中、経営課題も多岐にわたる現状です。
本事例が中小製造業のみなさまより自社経営課題に対し財団からの分析・診断に関心をお持ちになっていただくきっかけになれば幸いです。

当財団では、経営課題を抱えその課題解決に前向きに取組み経営力を向上させたい企業を対象として、当財団の職員を中心とした支援チームによる「経営力向上ハンズオン支援」を希望される企業を募集しております。
財団職員によるハンズオン支援についてはこちらをご覧ください。
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